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トピックス

みなさん、美術品・美術関連品を購入したことはありますか?

絵や陶芸品、美術関連品を購入する人ってどれくらいの割合なのでしょうか?

先日新潟美術学園のTwitterにて呟いたのですが、最近はこんなサービスもあるようです。

こちらのサブスクリプションサービス「Casie(かしえ)」では、定額制で絵画をレンタルできるというコンセプト。絵画のサイズは最大でも縦25cm×横20cmなので、割と小さめなので、玄関や窓際など、あまりスペースを気にせず飾ることができます。

しかも1ヶ月に1回交換可能なので、新しい作品と今飾っている作品を「交換」という形で新しい作品を気軽に出会うことができます。

このように気軽にアートを自宅に迎えることができるわけですが、実際のところ美術品を購入したことのある人の割合ってどのくらいいるのでしょうか?

美術品・美術関連品の購入経験は?

日本のアート産業に関する市場レポート 2020 』によると、一生で一度でも美術品の購入したことのある人は18.4%、過去3年間における購入9.7%となっています。あまり高い数字とは言えないですね・・・。

ちなみに『美術関連品』ですが、このレポートでの定義は『著名な絵画を複製したポスター・ポストカード、展覧会の図録・カタログ等の美術書、著名な絵画・彫刻等をモチーフとしたグッズ』です。

確かにこういった関連品は購入しやすい傾向があるようです。(画像はクリックで拡大できます。)

引用・Photo © https://art-tokyo.jp/press/229/pdf

どんな世代が購入している?

では一体どんな年齢層の方々が美術品・美術関連品を購入しているのでしょうか?

表を見てみると、美術品は男性30代が、美術関連品は30~50代女性が購入する傾向が高いようです。

男性と女性で購入するジャンルが異なる、というのは興味深いですね。特に『美術関連品』の購入年齢層は、30代・40代・50代で、どの数値も男性を上回っています。おそらく、美術館に足を運ぶのが多いのもこの年齢層なのではないでしょうか?
(画像はクリックで拡大できます。)

Photo © https://art-tokyo.jp/press/229/pdf

どんなジャンルの美術品・美術関連品を購入している?

美術品の中でも「陶芸・工芸品」が一番多いことが表を見てわかります。次いで現代美術作品、それに続いて洋画・掛け軸・版画などの平面的な作品に関心が集まっていることがわかります。

美術関連品では「著名な絵画を複製したポスター・ポストカード」が一番数値が高いです。これはやはり買いやすい・手軽、値段もそれほど高くない、という観点から購入者が多いのかもしれません。
(画像はクリックで拡大できます。)

Photo © https://art-tokyo.jp/press/229/pdf

どこで美術品・美術関連品を購入している?

では、一体どこで美術品・美術関連品を購入しているのか表を見てみましょう。

一番はなんとミュージアムショップよりもギャラリーで購入される方が多いという結果に。ギャラリーよりも美術館に行った流れでの購入が多いかとイメージしていたので意外でした。次にやはりミュージアムショップ、百貨店、と続き、意外にもインターネットでの購入はそこまで高くありませんでした。

現在コロナの影響があるので、もしかしたら今後ネットを通して美術品を購入する人が多くなるかもしれませんね。(画像はクリックで拡大できます。)

Photo © https://art-tokyo.jp/press/229/pdf

まとめ

今回『日本のアート産業に関する市場レポート 2020 』を見てみて、美術品を購入するのは30代男性が多いということがわかりました。おそらくこれは20代で就職したての頃よりも経済的に余裕ができて、美術品などを購入する経済的余裕ができるからではないかと考えられます。一方で美術関連品の購入の多くは30代〜50代の女性が多数。これは、以前のトピックスで紹介した、令和2年3月の文化庁の『文化に関する世論調査報告書 』の鑑賞した文化芸術のジャンルの表を見てみると女性の方が美術に関心が高いことも関係しているのではないでしょうか?

Photo © https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/92221801_01.pdf

ただ、冒頭で書いた通り、一生で一度でも美術品の購入したことのある人は18.4%とあまり高くないので、もっと若い世代にも手軽に楽しめるアート、高額なお金を払わなくても購入できるアート、生活に身近なアートが増えていくことで、30代以下の若い世代の人もアートを家に迎え入れる・購入することに興味をもらえたら良いですね。

高級な絵画でなくても、自分が気に入った作品を購入・自宅に飾ることに対する敷居がもっと低くなれば、よりアート業界への活性化にも繋がるのかな、と思います♪